空を飛べたら、どんなにいいことだろう








いつもより、少し違う日常へ。













Dot Candy*



















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


何だろう、この状況は。




ちゃん〜〜〜!!どうしよう!!」

こっちがどうしようだよ!!ねぇ、何やったの?!私には、到底理解出来ないことに部屋がなってるんだけど?!」


「えっとね〜・・・・本棚にあった“手軽でカンタン超便利★究極の黒魔術〜初心者編〜”
 
 てのを見つけてやってみたらこの始末で・・」


お母さん!!!!!何そんな悠長に言ってるのさァァァァァ!!!

「やぁん!そんなに叫ばないでよ〜!」





いや、誰だってこんな部屋の状態を見せられたら、叫びたくもなりますよ!!







今、私達が居るのは地下の書斎。

今は無き父が使っていた、秘密基地だ。



昨日までの、この書斎(もとい秘密基地)は綺麗に片付けられていて、埃1つない、清潔な部屋だった。


・・・・・・・のに


今日、私が学校から帰ってくると・・・・・・



部屋は、荒れ果てていた。

まるで、魔物が住み着いたかのごとく、荒れ果てた秘密基地。

倒れた本棚に、壊れかけの机。

本格的に壊れた椅子。

そして、どうやってか燃えてこげこげの本。

割れたガラス。




何ていうか、もう本当・・・・・なんだろうこの状況。


ねぇ、マジでなにをした?



そう、私の隣で困ってるんだか楽しんでるんだか分からない表情をした母に問いたかった。









ちゃん、どうしよう〜?」





まだ言うか。






「とりあえず、片付けよう・・・・・・」





ちょっとマテ。

何かが引っかかった。

母のほざいたセリフの中に、なんかひっかかるモノがあったぞ?(今更ながらだけど)



「ねぇ、さっき言ってた言葉の中にさ“手軽でカンタン超便利★究極の黒魔術〜初心者編〜”っての、入ってた?」

「え?うんっ?」



うん?じゃねーよ!!!

なんでそんなものがウチにあるの?!


ココでやったってことは、この部屋にあったってことでしょ?!


っ〜〜〜!!!



お父さん!!!何てモノを残してくれたんだァァァァァァァァ!!


てゆーか、普通にやるなよそんなもの!!






「(はぁ。)んで、何をしようとしてたの?」



どーせろくなものじゃないでしょ?



「んとね〜・・・・ちゃんが今はまってる“BLEACH”って漫画のキャラを召喚しようと思ってたの〜」


前言撤回いたしますお母様。




なにその素敵な発想!!

大好きよマイマザー!!

部屋をどんなに壊してもいいから、絶対呼んで召喚して!!


オトンの秘密基地がなんぼのもんじゃい!!


カモン、愛しのマイハニー共★






もはや、私の脳内ピンク色。

ハート乱舞もいい所で、もう部屋がどんなに荒れ果てていても、どんな魔物が住み着いていても気にしない!!



「でね、やったはいいけど、少し困った事になったの」

「?何?何が困ったの?」

「それはね・・・・」




と、母が言うのと同時に、部屋の奥の方からなにやら怪しい煙が立ち込めてきた。

それにともなって、変な臭いも。





「魔方陣から、こんな現象が発生しちゃうようになったのぉ〜!!しかも、たまに爆発するし!」

「は?!それって・・・・失敗じゃないの?つか、危ないって!!」

「ううん。成功よ?でもね、この本によると、相手を召喚する場合は紙にその召喚したい人の名前を書いて、魔方陣に

 貼り付けるらしいのよ!それに、大丈夫。爆発といっても私たちには無害よ?」

「じゃぁ、貼ればいいのに。(無害な爆発って・・・)」

「でもね、名前が分からないのよ。」


そう来たか!


「紙とペンはあるから・・・・書いて貼ってきて?」


と、母は私に紙&ペンを渡す。

書くのはいいけど・・・・・・


「私に、あの異様な道を進めと?」

「当たり前じゃない!名前の書いた紙さえ貼れば、あとは夢の世界よ!!」


両手で握りこぶしをつくり、グッと胸の前にもってくる母。


あとは、夢の世界・・・・・・。



やってやる!!やってやろーじゃん!待ってろ、愛しのバラ色人生!!

近くにあった(壊れかけの)机に紙を乗せて、名前を書く。



まず一人目は・・・・やっぱり、檜佐木修兵だね!

んで次に・・・・・・黒崎一護。

それから、日番谷冬獅郎でしょ・・・・ついでに、阿散井恋次・・・・。

あ、松本乱菊さんと〜山田花太郎きゅん(死)・・・・・。

あとは・・・・・雛森桃ちゃん?

んで、斑目一角に・・・・(嫌いだけど)綾瀬川弓親。

・・・・・忘れてた!狐・・・・もとい、市丸ギンも!


ま、コレ位でいいでしょう★




「では、コレより、命を懸けて夢のバラ色人生への入り口へと行って参ります!」





・・・・死んだら、どうしよう・・・・。






「いってらっしゃい、夢の世界はもうすぐよ〜!」




と言う、なんとも間抜けな母の声援を後ろに受け、私は前へ進んでいった。

そう。


あの、異様な雰囲気をかもし出した、異様な煙&臭いの巣へ・・・・・。





















































「げほっ!!やっぱり、煙い!それに臭い〜〜げほげほっ」


中は思ったとおり、咽るむせる。

それに、煙で視界が悪い。

酸素ボンベが欲しいなぁ〜なんて思う今日この頃。


でも・・・・・・・


愛のために、私、ガンバル★






「あ、あった・・・・これか魔方陣・・・・」



やっと見つけたその魔方陣は、青白く光っている。

お母さん、よくこんなもの書けたね。




「よし、では・・・・・、いっきまーす!!!」



とうっと、勢いよく魔方陣にダイブして、紙を貼り付ける。


すると、魔方陣は光をまして・・・・・







「あれっ?!なんか様子が可笑しくない?!」






そして、爆発した。





「不意打ちなんて卑怯だ・・・・・・・」



そう言い残して、私の意識は闇へと消え去った。






てか、私たちには無害ってオカンさっき言ってたよね?!