ドリーム小説






この日常が、これから永劫続くと願ってやまない。




Dot Candy*




私ら、絶対場違いだ・・・・・・。

そう感じた今日この頃。



あ、いやでも・・・・・・・

場違いなのは、私だけで、修兵&一護は全然場違いじゃないなぁ〜

なんてゆーの?

ホラ、オーラが煌びやかじゃん二人とも

だから、周りと合ってる・・・・・ような気がしないでもない。






「うわぁ・・・・・・でけぇ・・・・・・・」


感嘆のため息と共に、一護が呟く。


「さすが、金持ち学校。」


修兵も、呟いた。



私は、開いた口が塞がらない。

ポカンと間抜けな顔で、ただその光景を眺めているしかなかった。






釘付けになっていた視線を、両隣にいる一護・修兵に向けると、私とそう対して変わらない間抜け面をしている。

あ、よかった。

私だけじゃなかった。






私たち三人が揃いも揃ってアホ丸出しにしているのは、執事の前浜 賢(マエハマ ケン)さん(54歳)が運転している車の中

からみえる、学校のとてつもない大きさのせい。

正門から正面玄関までの距離、何と約1km(前浜さん談)

車じゃないと、正面玄関まで行けないよ私は。


今まで、私たち双子の通っていた学校は一体なんだったの?




何だか、無償に悲しくなってきた。


「俺、こんな学校見たことねぇよ」

「私も無いさ」

少々興奮気味の一護に相槌を打ちながら、ふと修兵の方を見た。


・・・・・・・・・・・・・・あ、凄いキラキラしてる・・・・・


目を輝かせ、この先のバラ色学園ライフを想像妄想しているであろう檜佐木氏の顔は、まるで





初めてエロ本というモノを見た少年のような、何とも表現し辛い情けな〜い顔をしていた。





・・・・・・あぁ、修兵ってば、漫画やアニメでは、もっと凛々しいステキな大人の男性!!ってイメージだったのに・・・・

実際は、高校生に扮しても全く違和感の無い、少年のような心を持った人だったのね。



いや、こっちでも好きですが


























「着きました、お嬢様、お坊ちゃま。」

気がつくと、車はもう正面玄関の前に止まっていた。



「では、行ってらっしゃいませ。帰りは、電話一本頂戴すれば、すぐにでも迎えに上がりますので」


私たちが車から降りたのを確認してから、前浜さんが優しく微笑みながら言った。


「えっと、・・・・わざわざスミマセン」

「いえ、そんな。お嬢様方に喜んでいただけるだけで、私めは幸せなんでございます。・・・・・・どうか、御気になさらず」


優しい微笑みは崩さず、前浜さんは続ける。



「さ、お嬢様たちがお待ちですよ。」





この一言で、サっと私たち三人の顔色が悪くなった。




・・・・・・・・・を、忘れてた・・・・・・・


急いで前浜さんに一礼して、正面玄関に入る私たち。






「うわっ、下駄箱が無い!!」

「土足でいいのかよ?!つか、階段じゃなくてエスカレーターで上に上るのか?!」

「・・・・・・金持ち学校だからな・・・・・」


何か、凄すぎて逆に呆れる・・・・・・


呆気にとられるものの、それでも私たちは足を止めない。

寧ろ、早くなってる。


早歩きの域を超えて、すでにもう競歩だよ。





そんな中、唐突に修兵が口を開いた。


「なぁ ・・・・・・」

「ん?どうしたのさ修兵?」


「本当に、俺らタダでいいのかよ?」

「・・・・・・・何が?」

「その、学費とか、生活費とか・・・」

「え、何?払いたいの?(・・・・・タダにしたんだお母さん・・・・)」

「それは・・・・・・」

「払いたくても、払えないでしょ?バイトしても、この金額は無理だもんね。

 第一、そっちの世界とこっちの世界での通貨は違うワケだし。」


「「・・・・・・・なんでお前が知ってるんだよ、そんな事」」



し  ま  っ  た  !!

不覚だわ!!

 、一生の不覚!!!



と、今更後悔しても後の祭り。

この場は何とかフォローで誤魔化せ!!





「なっ、何となくそうかな?って思ったの☆」


誤魔化し下手だな私ィィィィ!!!

語尾の☆が、さらに怪しさ倍増だよ!


心の中で頭を抱える。

何で、私にはみたいに嘘が上手くないんだろう・・・・・・




少しずつ上るエスカレーターに、急に興味が沸いてしまった私は修兵たちの顔を見ないよう、下を向いて

乗っているエスカレーターを見るフリをした。







ごめんなさい、マイマザー&シスター。

私は、嘘が下手なんです。



下を見ながら静かに涙した。